伊藤潤二氏『アイズナー賞』2部門同時受賞、日本人初の快挙で「夢のようです」 『地獄星レミナ』&『伊藤潤二短編集』

『漫画界のアカデミー賞』と呼ばれる権威ある漫画賞『第33回ウィル・アイズナーコミック・インダストリー・アワード』(以下アイズナー賞)のオンライン授賞式が24日(日本時間)、アメリカで開催された。漫画家・伊藤潤二氏が『地獄星レミナ』で「最優秀アジア作品賞」、『地獄星レミナ』『伊藤潤二短編集BEST OF BEST』で「Best Writer / Artist部門」を受賞した。同年に、別作品で2部門同時受賞は日本人作家初の快挙となる。

過去に同賞を複数回受賞した日本人作家は手塚治虫氏、 #水木しげる 氏、 #浦沢直樹 氏、 #小池一夫 氏、 #大友克洋 氏、 #松本大 洋氏。なお、伊藤潤二氏は2019年に『フランケンシュタイン』でもアイズナー賞を受賞している。

今回の受賞に伊藤氏は「アメリカのアイズナー賞を授かりまして、本当に夢のようです」と喜びつつ、「応援してくださった読者の皆さま、素晴らしい翻訳と装丁で出版してくださったアメリカVIZメディアさまのお力添えに、心からの感謝を申し上げます。そしてなによりも、1998年に『ビッグコミックスピリッツ』で『うずまき』を連載して以来、お世話になっている小学館様のお力添えがなければ、今回の受賞はありませんでした」と思いをつづった。

受賞作品については「今回アイズナー賞を受賞した『地獄星レミナ』は、『うずまき』から担当していただいていた中熊一郎氏のアイデアから始まった作品です。『次の連載は、星を食べる星の話なんてどうですか、伊藤さん!? 』奇想天外なこの案にひるみつつも、自分なりの科学(似非科学)の知識を交えて描き上げ、そして、ボラーレの星野ゆきお氏による世紀末的なデザインで本にしていただきました」と説明。

続けて「『伊藤潤二短編集BEST OF BEST』は、小学館さんで執筆した読み切りを集めた作品集です。担当の加藤辰巳氏の指揮の下、ロケットボムの簑原圭介氏によるデザインで凝りに凝った豪華本にしていただいたもので、加藤氏と私にとっても、思い入れのある本となりました」としみじみ。

最後に「私もとても思い入れがあるこの2作品がアメリカで評価いただいた事を心の糧にして、これからも頑張りたいと思います。繰り返しになりますが、日本版、英語版を作り上げるにあたってご尽力いただいた全ての関係者の皆様、そして支えてくださった読者の皆様に重ねてお礼申し上げます。この度は本当にありがとうございました」とさらなる飛躍を誓った。

伊藤氏は1963年7月32日、岐阜県中津川市生まれ。高校を卒業後、歯科技工士学校に進み歯科技工士となるが、1986年に朝日ソノラマの少女向けホラー雑誌「月刊ハロウィン」に創設された新人漫画賞「楳図賞」に『富江』を応募、佳作入選した事をきっかけに漫画家デビュー。歯科技工士として働きながら、同誌に作品を発表する生活が続いたが、3年後に専業漫画家となる。1998年から小学館『ビッグコミックスピリッツ』で『うずまき』の連載を始め、その後『ギョ』、『憂国のラスプーチン』(原作・佐藤優、脚本・長崎尚志)、『溶解教室』、『人間失格』(原作・太宰治)、『幻怪地帯』などの作品を発表し、現在に至る。

■受賞作品の概要
・『地獄星レミナ』
ワームホールから突然出現した奇妙な星。発見者の娘の名をとってレミナ星と名付けられたその星は、他の星を呑み込みながら、地球へと大接近した。迫り来る災厄に暴徒と化した民衆は、その矛先を発見者の大黒恒夫と大黒麗美奈へと向ける…。

・『伊藤潤二短編集BEST OF BEST』
江戸川乱歩の『人間椅子』『ろくでなしの恋』を原作にした作品や、最高傑作との声も高い『阿彌陀羅断層の怪』、映画『食人族』のR.デオダート監督らとのセッション作品ほか10編を収録。カラーページもあり、著者の漫画世界が堪能できる一冊。

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