葉加瀬太郎さん「うねり体験して」 初フルオケで30周年記念公演

#葉加瀬太郎 さんは2020年にデビュー30周年を迎えた。その年の春に予定し、新型コロナウイルスの影響で延期していた記念公演「オーケストラコンサート2021 The Symphonic Sessions」を、7月2〜4日に、京都、大阪、神戸で開催する。心待ちにしていた公演は、本人初のフルオーケストラ編成。「うねり」を体験する場になりそうだ。

フルオーケストラに挑んだ理由を尋ねると「10歳の時、相愛学園(大阪市)の子供音楽教室で体験した『ワクワク感』を、皆さんにも感じてほしかったから」という。「それまで演奏はバイオリンだけだった。それが管楽器や弦楽器、人と交わることで、音楽ってこんなに楽しいんだと知ったんです」と瞳を輝かせる。

企画からリハーサルまで準備には5年以上をかけたといい、直前に新型コロナで延期になった時には「さすがの僕も一回しょげました」と苦笑する。「でも、致し方ない。できることをしっかりやろうと。僕が動かないと、バンドのメンバーやスタッフが食っていけなくなっちゃうから」

20年4月から5月までの自粛期間中は、自宅のスタジオにこもって作曲に取り組んだ。最初の緊急事態宣言が明けた6月にレコーディング、9月にアルバム「FRONTIERS」を発表し、すぐに同アルバムのツアーを開始した。

このツアーで全国44公演を完走できたことが、今後の自信につながったという。「どういう形で何ができるかが分かった。今はクラスターを起こさなかったとか、一つ一つ形を残していくしかない」

迎えた念願の記念公演。20年3月に発表したアルバム「The Symphonic Sessions」から、オーケストラアレンジされた「情熱大陸」や「Another Sky」などのヒット曲を披露するほか、モーツァルトの「トルコ風」やベートーベンの「ロマンス」といったクラシックのカバー曲も演奏するという。

30年の音楽人生で思い入れのある楽曲を聞くと、「どの子もかわいい」と屈託のない笑顔を見せた。代表曲となった「情熱大陸」については、「自分の曲とは思えない。独り歩きをしている感じ」といい、誕生秘話を聞かせてくれた。「(代表曲の一つ)『エトピリカ』の作曲中に(TBSテレビの)番組『情熱大陸』に密着されて。プロデューサーから『番組用に30秒ほどのアタック音を作ってほしい』と言われたのがきっかけ。1週間で大慌てで作ったから、そんなに思い入れがないんです」と笑う。

取材した5月10日には、すでに全国で7公演を終えていた。総勢50人の演奏を前に「人の『気』にやられそうです」と初めての体験を楽しむ。「厳密には全ての音が一致することはない。そのズレが生むグルーブ、恐竜のうごめきや大きな波のうねりのようなものが、すごいエネルギーになってのしかかってくる。それをぜひ体験してほしい」

既に秋のツアーも発表。現在は新曲の制作に取りかかるなど、精力的に活動を続ける。「大変だったけど、この1年は公演する意味を再確認できた。待ってくれている人たちがいるから、その気持ちに応えないとアカンですよね」

日程は緊急事態宣言を受けて一部変更し、▽7月2日午後6時半、ロームシアター京都▽3日午後4時半、大阪・フェスティバルホール▽4日午後4時、神戸国際会館こくさいホール。いずれも全席指定。9000円。京都公演のチケットは6月5日発売、大阪・神戸公演は19日発売。問い合わせはキョードーインフォメーション(0570・200・888)。【山下智子】

葉加瀬太郎(はかせ・たろう)

1968年生まれ。大阪府出身。90年、「KRYZLER&KOMPANY(クライズラー・アンド・カンパニー)」のバイオリニストとしてデビュー。96年よりソロ活動を開始。人気テレビ番組「情熱大陸」のテーマ曲のほか、映画やドラマのサウンドトラックも多数手がける。

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葉加瀬太郎さん「うねり体験して」 初フルオケで30周年記念公演