美園さくら「やってきたこと間違いじゃなかった」宝塚月組退団公演

宝塚歌劇団の月組トップ娘役、美園さくらが、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で上演中の「桜嵐記(おうらんき)」で大輪の花を咲かせている。退団公演の今作は、トップ娘役として初めて大劇場に立った2019年の「夢現無双」から約2年ぶりの日本物。「プレッシャーに押しつぶされそうになっていたお披露目の時と違って、役に没頭できている」と充実感に満ちている。

トップスターの珠城(たまき)りょう演じる南北朝時代の武将、楠木正行(まさつら)に思いを寄せる、女官の弁内侍(べんのないし)役を務める。家族を目の前でむごたらしく失い、報復に燃える役どころ。作・演出を手がける上田久美子に、自身の魅力を「硬質な部分」と指摘された。「心が壊れて硬くなっていた弁内侍が、正行との出会いで柔らかく、自由になっていく様子を表したい」。言葉通り、序盤はうつむき、うつろだった弁内侍が徐々に表情を取り戻していく演技が光っている。

稽古(けいこ)では目線の使い方や間の取り方、話し方と、日本物の所作に苦労したという。「すっと対象物に(目線やセリフを)投げかけるというより、憂いをもってゆっくり時が流れる感覚を楽しむのが難しい」と美園。公演中にどれだけ進化させられるか見どころだ。

「静」の芝居から一転、ショー「Dream Chaser」では、ここぞとばかりに得意なダンスを披露し、躍動している。「振り返ってみたら、宝塚らしいショーには出演していなかったかも。トップになってから『ショーよ、初めまして』という気分」とちゃめっ気たっぷりに笑う。

13年に首席で入団。優等生の道を進んできたかと思いきや、下級生の時はレッスンに参加せず、「努力も才能のうち」と叱られたことも。地道な鍛錬を重ね、トップ娘役に就任後は、日本初演となった海外ミュージカル「I AM FROM AUSTRIA」のヒロインなど話題性の高い難役も務め上げた。

最近、下級生の前で振付家に「美園を見ろ」と褒められた。「あがいている姿を近くで見られるんだぞ、と。やってきたことは間違いじゃなかったと思えました」。同時に退団する珠城には「月組の一員として最後まで組を盛り上げていこう」と声をかけられた。「頑張ることが私の仕事だと思っています」。宝塚人生に別れを告げるまで全力で走り抜ける。【反橋希美】

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美園さくら「やってきたこと間違いじゃなかった」宝塚月組退団公演