宝塚歌劇団、華優希らサヨナラショー 初の無観客千秋楽

宝塚歌劇団花組のトップ娘役・華優希(はな・ゆうき)と人気男役スター・瀬戸かずやの退団公演が10日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で千秋楽を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出ている中、宝塚史上初めて大劇場での無観客による千秋楽となった。ファンはライブ配信などで、スターの本拠地との別れを見守った。2人は東京宝塚劇場公演(28日〜7月4日)を最後に退団する。

華は2014年入団。19年4月にトップ娘役に就任し、同年11月から柚香光(ゆずか・れい)とトップコンビを組んできた。04年入団の瀬戸は主演から脇役まで幅広くこなし人気を集めてきた。

時折涙を流しながら熱演

観客のいない赤い客席。それでも、一丸となって魂のこもった演技を見せた。ミュージカル「アウグストゥス−尊厳ある者−」で、華は時折涙を流しながら熱演。瀬戸も男役の色気をにじませ、舞台の空気を支配した。ショー「Cool Beast!!」では、柚香と華がデュエットで踊った後、一緒にカメラ目線で手を振るなど、画面の向こうのファンへの配慮も忘れなかった。

ファンもSNS(ネット交流サービス)で思いを発信。ツイッターには「拍手が届きますように」「心は大劇場の客席に」などの書き込みがあふれた。

終演後に開かれたサヨナラショーで、華は青いドレス姿で大階段に立ち、同期生6人とともに初舞台の「TAKARAZUKA花詩集100!!」の主題歌を歌い上げた。柚香とはピンクのドレスで「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」から歌とタップダンスを披露。柚香とのコンビで2度上演され、新型コロナの影響で公演延期・中断もあった思い入れの深い「はいからさんが通る」の「風の誓い」も熱唱した。

胸に赤いバラを飾った瀬戸は、主演作の「マスカレード・ホテル」などの歌を披露、黒燕尾(えんび)の男役を率いてキレの良いダンスを見せた。最後は出演者全員で「はいからさんが通る」の「大正浪漫恋歌」を歌い、にぎやかに締めくくった。

「拍手の幻聴が聞こえた」

退団者は華、瀬戸を含め6人。正装のはかま姿で順に大階段を下り「皆さまの思いを感じた」「拍手の幻聴が聞こえた」などと、ファンへ思いを届けた。瀬戸は感謝の気持ちを述べ「宝塚の生徒が、二度とこのような景色を見ることのないよう、願っております」とコロナ禍の収束を願った。華は「宝塚大劇場が世界で一番好きな場所でした。みなさんにとりましても、希望の光となりますよう、心から祈っております」と話した。

緊急事態宣言は延長されたが、兵庫県内は12日からイベント開催制限が緩和される。わずか2日の差で、無観客になった本拠地ラストデー。カーテンコールでは、無念さを振り払うかのように「負けないぞー」と花組のメンバー全員で気勢を上げた。

28日から始まる東京宝塚劇場公演では、観客が戻ってくる。「前を向いて進もう」との強い思いを、画面越しに受け取った。【水津聡子】

#千秋楽 #宝塚歌劇団 #無観客 #退団 #娘


宝塚歌劇団、華優希らサヨナラショー 初の無観客千秋楽