”生のエンタメ”を取り戻せる日が来てほしい…漫画家がイラストに込めた想い 諦める悔しさ、やるせなさに共感

「このために生きている」という言葉とともに、ライブ、舞台、コンサートが始まる前の”高揚感”を描いたイラストがツイッターに投稿され、33万を越えるいいねを集め話題になった。投稿主は漫画家の旗谷澄生さん(@yasumi_shu2)。コロナ禍で様々な選択を迫られる昨今、純粋にエンタメを楽しみ声援を送ることが難しくなっている。この現状をどのようにとらえ、どんな想いを伝えたいと考えていたのか話を聞いた。

■「取り戻せるように頑張ろう」前向きな言葉に励まされた

旗谷さんは、自身のツイッターに4枚のイラストを投稿。「3時間前」「1時間前」「10分前」「開始直後」と時間軸で区切られていて、ライブをはじめとしたエンタメコンテンツを楽しむ際に観客がどんな行動をとっているのか詳細に描かれている。

ある人は舞台が始まる前にカフェに立ち寄って”推し”に想いを馳せていたり、ある人はメンバーカラーを思わせるカラフルなファッションに身を包み、友人と談笑しながらライブのグッズを購入していたり。イラストには「なんか泣きそうになりました」「わたしも、こうなる予定でした。でも行かない決断をしました」「切ない気持ちになります。はやく思う存分楽しみたい」など、たくさんの反響コメントが集まった。

「ライブなどに行くことがとても好きだったのですが、コロナ禍で難しくなりました。無観客配信や万全の感染対策の上での有観客ライブが行われていることには日々とても感謝しているのですが、心置きなく行きたい場所に行ったり声援を送ったりできる空間が、生活の中で本当にキラキラしていて大好きだったなと思って描きました」とイラストを描いたきっかけを語ってくれた旗谷さん。

「開催されていても参加を諦める悔しさや、やるせなさもとても共感してしまいました。『もう少しだけ耐えよう』『取り戻せるように頑張ろう』と前向きな言葉もたくさんいただき、私自身も励まされました」

■「誰かを好きだと思う気持ちの大切さを描きたい」漫画家としての決意

コロナ禍で”配信”という形式で様々な催しが行われたが、正直”生のエンターテイメント”に勝るものはないのではと思わざるを得ない。旗谷さんも「普段は遠くから見ている大好きな人たちが、いま自分と同じ空間にいて、同じ世界を生きているのだということをはっきり実感できる大切な時間だった」と振り返る。

「日常でままならないことがあっても、エンタメの世界で大好きなアーティストが待っていると思えば何度でも頑張ろうと思えました。普段は趣味の違う方と触れ合う機会のほうが多いですが、ライブ会場では皆が同じアーティストを応援していて、友達と行くのも本当に楽しかったし、一人で行くときも周りの人たちと同じ想いを共有できている気持ちになれて、いつもとても元気をもらっていました」

旗谷さんは、現在漫画家として活躍。今月発売された『デザート6月号 別冊Pink』(講談社)にデビュー後初の読み切り作品が掲載されている。“エンタメ”を生み出す立場でもあるが、コロナ禍でエンタメ業界が打撃を受けている現状をどのように見ていたのか。

「ライブやコンサートなどに関わる業界の方々が悔しい思いをされているのがさまざまなところから伝わってきて苦しかったです。漫画は家で一人で描けるので、そういう意味での打撃があったわけではありませんが、行く予定だった舞台やライブがすべて中止となって、エンタメが私の原動力であったことをあらためて実感しました。

エンタメは物理的な生命維持の機能があるものには見えないかもしれないけど、たしかにたくさんの方の心の支えになっている。豊かに生きていくために必要不可欠なものなのだ。今回漫画を描いてたくさんの方に共感していただけて、あらためて感じました。今後も漫画家として、誰かを好きだと思う気持ちの大切さを描いていきたいです」

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”生のエンタメ”を取り戻せる日が来てほしい…漫画家がイラストに込めた想い 諦める悔しさ、やるせなさに共感