ラブコメ最高傑作「めぞん一刻」心に残る名言集 愛と生死と笑いにあふれたセリフ5選

一刻館の管理人で若き未亡人の音無響子、その響子に惚れる五代裕作と、一刻館の住人たちとの間で繰り広げられるドタバタ日常を描いた、 #高橋留美子 原作の「めぞん一刻」。ラブコメディの金字塔として30年以上も全世界で愛され続けている名作には、数多くの名言がある。当コラムでは、心に残る名言5選を紹介する。


その1:「恋に破れるのがこわいんじゃない。このままじゃみんなウソになりそうで…こわい…」(単行本第11巻第11話「弱虫」/より)

教育実習生として訪れた五代に恋心を抱いた女子高生の八神いぶき。教育実習終了後も五代に会う口実として四谷に家庭教師を頼むなど積極的な八神に対して、対抗心を燃やしながらも煮え切らない響子は、遂に五代との関係を八神から追及されることになる。「好きなら好きってはっきり言いなさいよ」「好きじゃないふりして愛されようなんて、ムシのいい話だわ」との八神の挑発に、響子は乗らず。「本当は好きなんでしょ」と詰め寄られるも無視するが、八神が五代と「キスしちゃった」とウソを付くと、表情が一変する。

「独占欲は強いみたいですね、やっぱり」「あたしに負けるのが怖いんでしょ」。八神が挑発を続けると、響子は「当たってなくはないわね。だってあたし、こわいもの」とポツリ。ほどなくして、「恋に破れるのがこわいんじゃない。このままじゃみんなウソになりそうで…こわい…」と複雑な心境を吐露する。

響子は五代に惹かれつつも、亡き夫・惣一郎への想いが残っている。新たな恋を始めるということは、最愛だった人への気持ちが偽物だったのでは…と恐れているわけで、響子の相手に対する真剣な想いを窺い知ることができるセリフといえよう。

その2:「死んでないのじゃない、生きているんだ」(単行本第3巻第8話「私は負けない!!」/より)

亡き夫・惣一郎の父が大家を務める一刻館の管理人を辞めさせたい響子の母。これに響子は音無家に義理立てしているわけではないとするも、他界した最愛の人を忘れられず、新たな人生の一歩をなかなか踏み出せずにいる。このまま、いつまでもいるわけにはいかない。そう考えた惣一郎の父は音無家からの除籍を提案するも、響子は聞き入れず。「惣一郎さんを忘れなさいってことですか」とも迫る響子に対して、惣一郎の父は惣一郎の墓石の前で、この言葉を発する。

「昔はね、夫が死ぬと墓に赤い文字で妻の名前も書き込んだんだよ」。このように説明した惣一郎の父は、「未亡人、まだ死んでない妻ってことだよね」とひと言。これに響子が「未亡人…」と反応すると、「でも違うだろ?」と否定し、「死んでないのじゃない、生きているんだ」と語りかけるのである。残された立場ではあるものの、まだまだ人生は続く。響子の幸せを願う、惣一郎の父の優しき言葉である。

ちなみに惣一郎の父は最終話、響子と五代の結婚式の控室で「うんとしあわせになりなさい。今までの分もね…」「あんたはこの日のために生まれてきたんだよ」ともメッセージを送る。「お義父さま…」と響子も涙を流す、感涙必至の名シーンのひとつだ。

その3:「あたし、春まではひとりでいます」(単行本第12巻第10話「草葉の陰から」/より)

五代の恋敵・三鷹瞬は、次の土曜日に響子が亡き夫・惣一郎の墓参りへ行くと知る。その三鷹が墓参りへ行く気だと知った五代も負けじと向かうものの、タイミングを見計らって響子たちと合流、さりげなく自分のアピールに成功する三鷹に対して、五代は墓の後ろに隠れる羽目に。「こりゃあ、お似合いだな」と惣一郎の父も三鷹を絶賛して響子の両親らと共に喫茶店へと向く中、墓石の横に落ちていた積木で五代も来ていたことに気が付いていた響子は、ひとりで残って手を合わせると「あたしが再婚したら、本当に安心…?」「かえって心配かけるかもね」とつぶやく。

「え…」。陰で聞いた五代が驚くと、響子は「頼りないから…その男(ひと)…」「だけど…」「春になればきっと…」と惣一郎に報告。そのタイミングで背負っていた別の積木が落ちたことで五代の存在に気が付くと、響子は墓石と共に五代に水をかけて怒りつつも去り際、「あ、惣一郎さん…」「あたし、春まではひとりでいます…」との言葉を残す。

春は、五代が目指す保育士の試験がある季節。三鷹よりも五代が自分の愛する人だと、初めて遠回しながらもはっきりと報告した瞬間である。

ちなみに、このセリフはアニメ版で、漫画では「夏まではひとりです…」と描かれている。

その4:「消えたものを忘れてしまってはいけないんじゃないか」(より)

これはアニメのオリジナルストーリー。一刻館に新たな住人として現れた三越善三郎は、穏やかで優しく、その雰囲気がどことなく亡き夫・惣一郎に似ていることから響子は和んだ気持ちになる。玄関先で三越が買ってきたメロンパンを一緒に食べるなど、五代が嫉妬するほど良好な関係に見えたが、その一方で一刻館が取り壊されるとの噂が浮上。五代や三鷹らが調べるうち、三越がその噂に関係しているとの情報に辿り着く。

響子がやんわりと事情を聞くと、不動産屋への出入りを目撃された三越は「あそこに出入りしていたのは本当です。ただし、客としてですが…」「実は、私はあそこで生まれたんです」と噂を否定。だが、その翌朝には姿を消し、結局、三越は不動産屋の求めに応じてマンションの建設予定地を探す人間だったことが発覚する。ただ、被害は何もなく、三鷹曰く、不動産屋には三越から「私は手を引く」との電話があったとのこと。「怒ってましたよ、あそこの人たち」とも続けると、三越と一緒に蕎麦屋で食事をしたことのある四谷が、おもむろにこの言葉を発する。

「新しいものが生まれる時、古いものが消えていく」「消えていくのは仕方のないことかもしれませんが、消えたものを忘れてしまってはいけないんじゃないか」。これは三越の言葉だそうで、「三越さんがねぇ…」と、焚火を囲んでいた住人たちは一同、一刻館のシンボルである大時計を見つめる。件の不動産屋の跡地で長屋住まいだった三越は、一刻館の温かみに触れて当時を思い出したのだろう。

その5:「やきもち焼きで早とちりで泣いたり怒ったりだけど、その女(ひと)が微笑(わら)うと…おれ、最高にしあわせなんだ…」(単行本第15巻第1話「本当のこと」/より)

優しさが故になかなか振れず、いざ話を切り出すもお互いの認識が噛み合わずに関係が続いた五代と七尾こずえ。響子との関係を深めたことで五代は意を決して「好きな女(ひと)がいるんだ」と七尾に告げるも、七尾も同僚からプロポーズされたことを告白し、円満に別れることとなる。

五代は七尾から好きな女(ひと)は誰かと聞かれるも答えられず、「結婚するの?」との問いにも「い、いや、まだそういう段階じゃ…」としどろもどろ。結局、「やっぱりいい…」「さよなら、元気で」と七尾は立ち去り、帰りの電車で五代は車窓を眺めながら、心の中で誰であるかを告げる。

「おれの好きな人はね、こずえちゃん…」「やきもち焼きで早とちりで泣いたり怒ったりだけど、その女(ひと)が微笑(わら)うと…おれ、最高にしあわせなんだ…」。響子への愛する想い、五代の人間性が滲み出る、珠玉のひと言だ。
(C)高橋留美子/小学館

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