文楽人形遣いの吉田簑助さん最後の舞台 緊急事態影響で1日早く

国立文楽劇場(大阪市中央区)で開催の4月文楽公演を最後に引退を表明していた人形浄瑠璃文楽の人形遣いで人間国宝の吉田簑助(みのすけ)さん(87)が24日の千秋楽に出演した。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が25日から大阪府内に発令されることが決定し、最終日だった25日の公演が中止され、1日早い引退となった。全国からファンが訪れ、長年にわたり文楽界をけん引してきた名人に拍手を送った。

華やかな女形の遣いぶりで人気を博した簑助さんの最後の役は、「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の錦祥女(きんしょうじょ)。親を思う娘の心情を情感豊かに表現した。

24日の出番が終わった後、簑助さんが舞台に登場。弟子を代表して桐竹勘十郎さん(68)が「長い年月、見続けてくださって本当にありがとうございました。これからも文楽をどうぞよろしくお願いします」とあいさつを代読した。三味線で人間国宝の鶴沢清治さん(75)が花束を手渡し、会場からはすすり泣く声も聞かれた。

東京都千代田区から来た会社員、樽川央樹さん(50)は「最後も上品でありながら、なまめかしい遣いぶりで、引退はもったいない」と惜しんだ。大阪市の喜納雅江さんは「文楽を50年見ていますが、さすがの遣いぶりに涙が出ました」とたたえた。

25日のチケットは約450席が完売。政府が23日に緊急事態宣言の発令を決定した後、劇場を運営する日本芸術文化振興会(東京)などが開催の可能性を探り、24日午前まで協議を続けた。広報担当者は「楽しみにしてくれていた方には申し訳ない」と話した。【反橋希美、畑律江】

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