CG?イラスト?誰もやったことのない“ジオングの内部”をメインにしたガンプラ完成 「鮮やかな色彩の秘密はマーカー」

DON-GURIさん(@ten10kozo)は、昨秋に手に入れたジオン公国のモビルスーツ(MS)・ジオングのガンプラをどう作るか2ヵ月かけて思案。さまざまな作例を見る中で、誰も作ってこなかった、ディティールの細かい“ジオングの内部”をメインにした作品を作ることを決意し、3週間かけて完成させた。鮮やかな色彩と巨大なメカ感が同居する圧倒的クオリティを誇る本作はいったいどのようにして生まれたのか。話を聞いた。

■「模型の完成」ではなく、それを使った「写真作品」がゴール

——イラストなのか、CGなのか判別が付かなくなるほど、ジオングの迫力に圧倒される作品『80%の完成』に、1.9万ものいいねがつきました。本作はどのようにして制作に至ったのかお教えください。

【DON-GURI】昨年11月に東京で開催された『ガンダムEXPO』というイベントで、この『1/144 RGジオング』を購入しました。購入後すぐに作らず、いろいろなネットでのレビューや作例を見ながらキットの特徴を知り、自分がどう作るのか検討して制作にとりかかりました。製作期間はだいたい3週間ぐらいですね。

——他のジオングの作例を研究し、どのような結論を導いて制作に入られたんですか?

【DON-GURI】2ヵ月ほど、いろいろなネットでのレビューや写真を見ながらどう作るのか考えていました。その際、せっかく内部のメカがハイディテールなのに、それを活かした作例がないことに気づき、自分は“内部の構造”をメインにしようと思いました。そして、ジオングといえば完成を前にして「80%の完成」の状態で出陣していったことが有名ですが、そのエピソードを1枚の写真にすることをゴールとして決めました。

——1枚の写真にする…?確かに、DON-GURIさんの『80%の完成』は、完成後の写真が2枚しか発表されておらず、他のモデラーさんに比べると枚数的には圧倒的に少ないですね。

【DON-GURI】はい。私の場合、「模型の完成」ではなく、それを使った「写真作品」がゴールです。おそらく、いろいろな角度で撮影されるモデラーさんは、模型そのものを作品としている方だと思います。しかし私の場合は違います。
最初にどういう写真を撮影するのか決めたうえで模型を制作しているので、撮影する写真も基本的にメインカットのみです。もちろん、写真を撮影する場で思いついたアイデアなどで、アングルを変えたりして写真を撮影することもありますが、このジオングについては、発表している写真のカットしか私のイメージにはなかったので、ほかのアングルの写真を撮影しようという気持ちは出てきませんでした。

■“メカ感”を出すため悩んだ配色…一つの部品の塗り分けにも意図がある

——“内部の構造”がメインとおっしゃっていましたが、見事なクオリティです。ジオングの持つ圧倒的なスケール感を持たせつつ、細かく、鮮やかな配色でどこか神秘的な雰囲気も持たせています。やはり、ポイントは色使いでしょうか?

【DON-GURI】ありがとうございます。そうですね。やはりメカ部分の密度をあげるために配色に一番気遣いましたし、色の配分が悩みどころでした。どこを金色、どこを銀色、差し色の赤はどこに使うのか、など作りながら考えて、その場で塗っていきました。

——具体的に色のイメージは、どのようなところから湧いてきたのでしょうか?

【DON-GURI】金色と銀色を主に使い、一部赤や緑のメタリックを使用しています。ガンプラでは、内部フレームやメカ部分に金色や銀色使った作品は多いので、そういった過去の作例の影響を受けた配色かもしれません。
ただ、構造物としての重なりや情報量を増やすといった意図をもって、一つの部品でも複数の色を使って塗り分けたりしています。とにかくできる限り情報量を増やして、“メカ感”を出すことを意識しましたね。
ジオング本体は少しダークな色なので、反対に内部は金色メインで前面に強調できる色を選んだという経緯もあります。逆に明るい色の機体であれば暗めの色をメインにして内部メカを塗ると思います。色の違いによる奥行き感を一番大事にしています。

——この塗装には、GSIクレオスのガンダムマーカー(扱いやすく、細かいところまで色が届くので初心者にも人気のペンタイプの塗料)を使用されたと伺いました。エアブラシではなく、マーカーを選ばれた理由は?

【DON-GURI】私は普段からエアブラシの塗装はせず、部分的にガンダムマーカーで色を足し、場合によっては筆塗りで部分塗装しています。基本的にはキットのプラスチックの色そのままの部分が多いです。ガンダムマーカーを使うのは、エアブラシを使うような環境ではないことが大きな理由です。マンションなので匂いの問題があり手軽に使えるガンダムマーカーを使っています。このほうが片付けも楽ですし、場所も必要ありません。ただ、色の選択肢が少なすぎるのが残念ですね。今では種類も増えてきてはいますが、通常の瓶で販売されているような色の種類はありませんし、色を作ることもできないのが難点です。

■大切なのは写真になったとき、MSがどれだけ生き生きしてられるか

——ツイッターを拝見すると国内のみならず、海外からの反応がすごいですね。

【DON-GURI】正直な気持ち、「なぜこんなに?」という思いがありました。でも、自分の最高のパフォーマンスを出せた作品が、これだけ大きな反響をいただいた。これは、自分の感覚が、人の感性に刺激を与えられるものなのだということ、そして自身の感性の方向性が間違っていないという自信にもつながる結果となりました。
おそらく模型としての完成度だけではこのような反響は得られなかったと思います。写真としての作品に仕上げたことで、模型と写真の両方の技術が融合したことが、たくさんの反響をいただけた大きな理由だと思っています。

——本作を含め「ガンプラ」で表現する際、一番気を付けていることはどんなことですか?

【DON-GURI】ガンプラの楽しみ方は、もちろん模型としてのカッコよさの追求もあると思います。ただ、私の場合は写真がゴールですので、写真となったときにそのMSがどれだけ生き生きとしているのかが伝わるように、ガンプラ表現をしているつもりです。
できるだけ平面的でなく立体に見えるように作るなどの工夫を模型の段階で行い、写真撮影ではポージングやライティングに徹底的にこだわって、アニメの世界のイメージが投影された作品にすることを心がけています。やはり、アニメで受けたイメージが、写真からも同じように伝わることを大切にしています。

——DON-GURIさんにとって「ガンプラ」とは?

【DON-GURI】私はアニメは大好きですし、ガンダムシリーズはすべて観ています。アニメの世界では誰もが共通した2D(平面的なもの)を観ていますが、プラモデルになれば、「かっこいい!」と感じている2次元のものを立体のものとして作り上げることができ、作り手それぞれの「かっこいい」が手に入るのです。
なので、私にとってのガンプラは、アニメなどで受けた「かっこいい」を、自身の追求する「かっこいい」にまで進化させるためのツールですね。

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