まさにソードアート 冬の敦賀に舞い降りた「青薔薇の剣」

 幻想的な雰囲気を醸し出すのが冬景色ですが、福井県敦賀市に住むゆづパパさんが投稿した風景写真は、それにファンタジー要素が加えられて大きな反響となっています。

 「まだ刺せるほど積もってないのですが、雪を背景に。よく見えない…」
 そんなつぶやきとともに、敦賀の雪原風景を投稿したゆづパパさん。日本有数の豪雪地帯である北陸地方ということで、12月にして山々には雪化粧が施されています。さらに空模様は曇天。見ているだけで、思わずブルっとしそうな光景ですが、この写真、よく見てみると、クリアブルーの造形物の姿もとらえています。

 「一体なんだろう?」と、筆者は目を凝らして見てみると、どうやらこの造形物は剣のようです。

しかもこの剣、鍔部分はダイヤモンドダストの形状をしており、さらに中央部分に、薔薇の飾りが施されておりとてもアーティスティック。ん?そういや青い薔薇の剣って確か……
 そう、この剣は、人気ライトノベル「ソードアート・オンライン(以下SAO)」第4部「アリシゼーション編」にて、仮想世界『アンダーワールド』上での主人公キリト(桐ヶ谷 和人)の親友である、ユージオ所有の神器「青薔薇の剣」。投稿者のゆづパパさんは、レジンを用いてこの剣をファンアート作品として制作しました。
 ゆづパパさんは、家族そろっての“SAOファン”。その中でも、アリシゼーション編劇中に登場した青薔薇の剣に心を奪われたそう。そこで、元々趣味でレジンを使ったものつくりをされていたこともあり、これを立体化することにしました。
 とはいえ、青薔薇の剣といえば、透き通るようなクリアブルーの色合いが特徴的な剣。これを再現するために、ゆづパパさんは、ネットで適切なレジン材料を検索した結果、透明樹脂のレジンである「エポキシレジン」を使用することに。まずは、予めシリコンを作ったモールド(型)にレジン液を注ぎ込みます。

 ちなみにこの作業ですが、2度にわたって行います。そうして出来上がった“半剣”を、気泡が入らないように手動脱泡器で気泡を抜いてから貼り合わせ。さらに、はみ出たレジンの「バリ」を除去し、ヤスリなどで輪郭も調整します。

 フォルムが完成したあとは、青を表現するための塗装作業。実はここが、ゆづパパさんの作品作りの真骨頂ともいえるポイントでもあるんです。それは、剣全体にUVカットクリア塗料で塗装を施すというものなんですが、これにより、剣に紫外線を当てると青く「発光」。

 これは、部屋の外から差し込んでいた朝日にも反応。ほんのり照らされるだけでも、発光するようになってます。まさかこの方法で青を表現するとは。すごすぎる……

 さらに、鍔部分といった剣の装飾部分には、別途で着色。ここでも、蛍光色の青色塗料をメインとして使用することで、紫外線を当てるとより青く「発光」。

 これだけでも、超絶クオリティの「ソードアート」なんですが、“SAO的”にはまだ未完成品。「青薔薇の剣」最大の特徴である「青い薔薇」についても、ゆづパパさんは完全再現。これについても、剣同様にシリコンで薔薇のモールド(型)を作成。

 その後、手動脱泡器で気泡を抜いてから、レジン液を注入し、硬化させたのちに完成。クリアカラーが鮮やかな薔薇は、これだけでも単独のレジン細工として、十二分に通用するレベルのものです。

 そして、これまた剣同様に塗装と着色を施した後は、「固定台」となる剣の部分を削ったのちに剣へ接着。

 こうしてついに「青薔薇の剣」が完成。振りかざすと、ユージオがSAO劇中で披露した『エンハンストアーマメント』や、『リリースリコレクション』といった剣技が繰り出されそうです。

 余談ですが、ゆづパパさんが「青薔薇の剣」を完成させたのは今年の10月。ですので、当時撮影した敦賀の空は秋模様でした。

 これはこれで、非常に「映える」のですが、しかしながら「青薔薇の剣」というのは、「完全武器支配術」で氷の鎖を繰り出す描写があったり、アニメ本編のEDで、雪のシーンが挿入されたりと、どことなく「冬」を連想させる「神器」。そこで、今回ゆづパパさんは、12月に入って、周囲が雪化粧で彩られた敦賀の地で改めて撮影。今回の投稿は、そのときの様子なんです。
 その親和性も相まって、前回よりも「幻想感」を漂わせるゆづパパさんの投稿には、多くのSAOファンが反応。同時に、1万を超えるいいねが寄せられました。
 大きな反響を呼んだ投稿となったのですが、実はゆづパパさんは、「あの日はあいにくの天候だったので、晴天の日に改めて撮り直したんです」と、後日青空の敦賀で撮り直しを行い、その様子を改めてTwitterにて投稿されています。
 この日は打って変わっての好天だったため、たっぷりの太陽光を浴びた「青薔薇の剣」は、鮮やかな青に発光。冬の敦賀の光景と合わさり、その姿は、「アンダーワールド」世界から“転送”してきたかと錯覚してしまうほどのインパクトです。

 そして、こちらの投稿もまた大きな反響となったのですが、何と原作者である川原 礫(れき)氏もこれに反応。「きれい!つめたそう!ゲームで見つけたら抜いていいのかどうかしばらく迷うやつ!」と、ゆづパパさんの作品に対して大絶賛。まさに“作者公認”のソードアートとなりました。
 こうして、SAO愛に“現実世界”へ具現化させたゆづパパさんですが、実は今回ご紹介した「青薔薇の剣」以外も、アリシゼーション編にて、主人公のキリトが使用する「夜空の剣」も制作。こちらもレジンにて作られたそうなんですが、「青薔薇の剣」同様に蛍光塗料を用いることで、「夜空の剣」特有の、紫色に発光する様子も完全再現。

 「青薔薇の剣」とのツーショット写真は、SAOファンならずとも思わず胸が熱くなるクオリティ。ゆづパパさんが見せる「ソードスキル」には、筆者はただただ敬服するばかりです。

 「でも、あくまで『レジンのものつくり』は、趣味の範囲内でやっているんです。時間をかけて1つの工作を進めてるんで、これが創作活動といえるのかは分からないですね(笑)」
 と、その圧巻のスキルに対し、謙遜するゆづパパさん。しかしながら筆者には、作品のクオリティに、それ以上にあふれ出る「SAO愛」が、十二分に伝わったことを最後にご報告いたします。

<記事化協力>
ゆづパパさん(@kido_hiroshi100)
(向山純平)

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まさにソードアート 冬の敦賀に舞い降りた「青薔薇の剣」