木村昴、見つめ直した声優業16年目の今 夢のラップ仕事増え“自覚”再確認

 アニメ『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』山田一郎役などで知られる声優・木村昴(30)が、映画『トロールズ ミュージック★パワー』日本語吹替え版で、ラップを披露する赤ちゃんトロールのタイニー・ダイヤモンド役を務めている。最近はラップを披露する機会が増えているため、「ラッパーとしても頑張りたい!」と本格的に力を入れることを考えたそうだが、その時“声優業”を見つめ直したという。14歳でジャイアン役に抜てきされ、人生の半分以上続けている声優業。好きな音楽に触れ合いながら充実した日々を送る今、目指す役者像を聞いてみた。

 同作は、『ボス・ベイビー』のドリームワークス・アニメーションが贈る3Dアニメーション。音楽(ミュージック)が盗まれたトロール王国を舞台に、“ハッピー”を取り戻すためトロールたちの冒険が描かれる。

 アメリカでは先行して4月に劇場公開されており、今回出演が決まった時の心境は「以前から知っていた作品で『(日本語吹き替え版の)タイニー・ダイヤモンドは誰がやるんだろう?』と思い、機会をいただけたら演じたいキャラクターでした。その中でお話をいただいた時は、『キタコレ!』とすごく喜んだのを覚えています(笑)」と振り返る。

 劇中では、テクノ、クラシック、ロック…など、さまざまなジャンルの音楽が登場する。キャラクターを通して披露したラップについては「誰が聞いても『これは間違いなくTHE RAPだよね!』と見てくださった方がすぐ理解し、楽しく聞いていただけるように、『王道中の王道』を意識しました」と話した。

 人ではない“トロール”を演じるにあたって、「『よりポップでハッピーに!』と日常生活では味わえない不思議さみたいな“ファンタジー”を楽しんでいただきたい思いがありました。そのためには自身がまず、ご機嫌に楽しく演じることが大事だなと。リアリティーを考えすぎて、自然体に飾らないお芝居をすると『ハッピー』が届かない気がしたので、人間ではないキャラクターを演じるにあたり、大袈裟に通常の3〜4倍くらい“ご機嫌”にやることを意識しました。そうして観客の方に想像を膨らませていただければいいなと」と役作りの“核”を明かした。

■ラップ披露の場増加でラッパーに転身? 見つめ直した声優業

 14歳の若さで『ドラえもん』ジャイアン役に抜てきされてから今日まで声優業を続けているが、最近は、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』でも注目を浴びている木村。声優業とともに大好きなラップを仕事にしている今の心境はどのようなものだろうか。音楽に対しても向き合い方が変わったようにも思える。

 「最近はありがたいことにラップを披露する機会が増えて、スケジュールが『ラップ』だらけ。なので、もはやラッパーですね!(笑) 『ラップをやる声優さん』と言っていただけるようにもなって、本当にうれしい限りです。声優になる前は、密かにラッパーになりたいという夢がありました。そんな中で、ラップのお仕事をしていると、10代のころに抱いた夢が再燃して『このまま勢いで、ラッパーになっちゃう!?』みたいな考えはありました」と笑いながら話す。

 「ただ、その時に『待て待て、自分は声優だろ?』と、声優としての自覚を再確認することができました。『あくまで声優としてラップを披露する』幹の部分に気づくことができて、声優にしかできないラップというものを追求していきたい、そのパイオニアになりたいと思いました。これから先、ラップを披露する声優さんが増えた時、その源流にい続ける『木村昴』という存在でいたいです」と力を込める。小さいころの夢であった“ラッパー”に近づけた今、人生の半分以上を費やした“声優業”を見つめ直すきっかけになったと打ち明けた。

■「幸せを与える」理想の声優像 音楽一家で育った認め合う大切さ オペラ歌手の父、声楽家の母という音楽一家の中で育った木村。小さいころから自然と音楽に触れ合ってきたが、以前、バラエティー番組で「クラシックが苦手」と話していた。音楽全体に対して苦手意識のようなものはないのだろうか。

 「バイオリンを10年近く習ってきましたが、ケースを開けて失神することがありましたね(笑)(クラシックは)苦手と言えば苦手なのですが、僕の源流はクラシックから来ているので、嫌いにはなれない音楽です。ただ、…持って10分かなと思います(笑)ですが、クラシックのすばらしさを重々承知していますし、さまざまな音楽の原点なのだなと。クラシックは崇高なものだと思っています」とクラシックに対して苦手意識はあるものの“音楽”に敬意を忘れない。

 「今回の映画では、さまざまなジャンルの音楽を堪能することができます。『ロックが最強だ!』というキャラクターもいれば、『ポップスが最強!』というキャラクターが登場します。みんなそれぞれの音楽を守りたい、すばらしさを伝えたい気持ちがあるのです。その中で、『認め合うこと』がテーマだと自分の中で解釈しています」と作品をアピール。

 自身の経験から、音楽について多くの方に伝えたい思いがあるそうで「僕のクラシックのように、人には“得意”“不得意”が絶対にあると思います。『良さを知らないから不得意なのではないか?』というのが僕の持論です。『その良さを知りたい』という心の開き方を、ほかの物事に対してもしてほしいですし、この映画を観てくれた方が『否定』ではなく『良さを認め合う』ことの素晴らしさに気づけていただけたらうれしいです。言葉の壁や容姿などで判断されることがある世の中ですが、そんなことは無意味なことだと気づかされる作品だと思います」と訴えた。

 「僕にとって音楽は、両親の影響もあるので、“贈り物”だと思っています。ラップと聞くと近寄りがたい、怖いイメージを持たれがちですが、やっている本人たちは「ラップで世界を平和にしたい」「この音楽で世界を変えたい」という強い思いをもってこのカルチャーを生み出しました。 なので、他の音楽にも共通して言える根本にある『幸せを目指す』メッセージ性は、どのジャンルも一緒なのかなと思います。僕自身、ラップを披露する声優として目指すところです」と語る。数々の作品に出演し、人々に感動を与えてきた木村だが、人に「幸せを与える」声優として歩みは止めない。

『トロールズ ミュージック★パワー』10月2日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中。

#ラップ #木村昴 #声優 #アニメ #ドラえもん


木村昴、見つめ直した声優業16年目の今 夢のラップ仕事増え“自覚”再確認