野島健児の長男・透也が声優デビュー 親子3代で声優、父から子へ託す思い「とにかく続けろ」

 アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの宜野座伸元役などで知られる人気声優・野島健児の長男・野島透也(のじま・とうや)が、『しょうぐん 天晴れェド!』ボイスドラマで声優デビューを飾ることが明らかになった。健児の父・野島昭生から、ついに親子3代にわたって声優の仕事が受け継がれた。さらに同作では健児と透也の“父子共演”も実現。ORICON NEWSでは2人にインタビューし、共演を経た今の心境や将来への展望、さらに父から息子へ伝えたい俳優としての心構えなどに迫った。

 同作は江戸15代の将軍をモチーフにしたキャラクターたちが、現代で過ごす日常を描くコメディー。WEBコンテンツや舞台など多方面に展開され、1周年を記念して今年ボイスドラマ化が決定した。健児、透也のほか、多くの人気声優の出演が予定されている。なお、健児はこれまで家族に関することを公式には発表しておらず、同作での共演を通じ初めて息子の存在が公にされた。

■息子の初アフレコに立ち会い「1人の新人俳優として見ていた」

——初アフレコはいかがでしたか?

【透也】声だけの芝居は初めてだったので、オーディションを受ける前、父に「ここはこういう感情でいいのかな?」「声の出し方は、これでいい?」と聞いたりしていて、何もわからないままゼロからのスタートで収録本番を迎えました。本番を終えて、緊張だらけで、芝居も未熟で、今は悔しい思いもたくさんありますが、貴重な体験をすることができて楽しかったです。

父に教わりながらアフレコ当日まで台本を読んで練習をしていましたが、いざ本番を迎えると本当にド緊張してしまい…。収録は一緒だったのですが、僕はほぼ全てリテイクで、父は一発OK。以前から尊敬していましたが、改めて父は“プロの声優”なんだと実感しました。

【健児】まさか息子の初アフレコに立ち会えると思っていませんでしたので、親としてはありがたかったです。セリフを見てほしいと言われ、その様子を見て「自信を持って本番はやりなさい」とエールを送りました。

彼は普段は映像の仕事がメインなので、初めてになるアフレコの現場はやはり独特の雰囲気があると思うので、ミスはすると思いましたが、そこから音響監督に求められた指示・ダメ出しに対し臨機応変にできるかどうかが大切だったりします。そこを見届ける気持ちで僕は収録に臨んだので、親目線というより意外と仕事モード、「この役者は、どういう仕事をするのか」と1人の新人俳優として彼を見ていた気がします。

——透也さんは四代・家綱役、健児さんが演じた松平信綱はその家臣という役どころでしたが、それぞれどんなイメージで臨まれたのですか

【透也】家綱は15人いる将軍の中では、ほんわかしたキャラクターですが、“漫画家”という設定もあるので、その時は別人のようになる。僕自身も絵を描くことが好きなので共感できる部分がありました。家族に見せている姿と「実は違う」部分があるのは、家綱と似ているなと思いました。

【健児】僕の松平信綱はミステリアスなキャラクターではあるのですが、家臣という立場なので「お目付け役で頼りがいのある存在にしたい」思いがあり、それが表れるような声の色・ニュアンスで演じました。原作の意図とは違うかもしれませんが、新たな魅力が出ればと思って。

——透也さんは、父・健児さんがそばにいる環境のなかで、自然と声優を志すようになったのでしょうか

【透也】父を近くで見ていたというのもありますが、昔からとにかくアニメが好きだったので、声優というお仕事には父がこの仕事でなくても憧れていた気がします。ただ今は、カメラの前や舞台に立って演技をしたい気持ちも同じくらい強くあるので、これから先は舞台や映像、声優と限らず、幅広く“表現者”として難しい道ではありますが、さまざまなことに挑戦していきたいです。

——声優への憧れで特に原点になったような作品はありますか 健児さんが出ているかどうかは関係なく…

【透也】『PSYCHO-PASS サイコパス』がとても好きです。父が出ちゃってますけど(笑)。小さい頃から毎年1クール必ず繰り返して見ています。

【健児】まあ、僕が出演していることとは切り離して考えても、彼が作品を面白いと言ってくれたのはうれしいです。そのなかで好きな役とかキャラクターは…どうなんですか?

【透也】…櫻井孝宏さんの槙島聖護(まきしま・しょうご)です。

【健児】僕じゃないんかい(笑)!

■「続けた先に見えた景色を教えて」新たな世代に託す思い

——健児さんは、どんなお父さんなのでしょうか

【透也】父はとてもユーモラス(笑)でいいお父さんです。料理も上手で、味噌を自分で作ったり、この間はだし巻き卵の作り方を教えてくれました。

——逆にお父さんから見て透也さんはどんなお子さんでしたか

【健児】小さいころは優しすぎるくらい繊細な子でした。家では僕はつい怒りすぎる部分もあって、声のお仕事をしているせいか、ちょっとした注意でも僕の演技力と声量の迫力でキツイ雰囲気になってしまうんですね。なので、繊細な部分を傷付けないよう気を配りながら接してきました。周りをよく見てるし、いろんなことを感じて、気を使いながら生きている子。

その感性は、俳優にとって繊細な演技をしていくきっかけになると思います。ただ、ガサツな男らしい一面もあると、役の幅も広がるでしょうし、俳優として見える景色も変わる。とにかく発展途上ですから、いろんなことを感じて新しい自分を見つけてほしいですね。

——ご自身のデビューの時と比べていかがですか

【健児】僕のデビューは20歳でしたが、大人かと思いきや17歳の息子より幼かったと思います。社会性もなかったですし、このような取材をまともに受けることもできなかったでしょう。それくらい危うい存在でしたので、今思うとよくデビューできたと思いますよ(笑)。なので、こうして息子の姿を見ると安心しますし、25年前、僕の父・野島昭生から見たら、当時の僕はどれくらい心配だったのだろうと思ってしまいます。

——そんな“危うい存在”だった健児さんが、声優界で大活躍するまでの存在になれた要因は何だったとお考えですか

【健児】ここまで声優業を続けることができたのは、根っからの“負けず嫌い”だったから。他人にも自分にも絶対負けたくないと。声優を続けるかどうかという大きな壁にぶつかった時、投げ捨てることは簡単にできますが、壁があるならその上に立って景色を見てから「声優に向いているのか、いないのか」を考えようとしました。壁のまま、その先が何も見えない状態で判断するのはよくないと思って、やり続けた負けず嫌い根性がこうして今に繋がっています。

——なるほど。透也さんとしては、今後目指したい声優・俳優像というのはありますか

【透也】これまでオーディションでは柔らかく優しい雰囲気の役にチャレンジすることが多かったのですが、熱血系や冷静沈着な役柄にもぜひ挑戦してみたいと思っています。昔から #神木隆之介 さんに憧れていたので、俳優、声優どちらも表現が素晴しい、自然体で、ピュアさが声から表れるような役者になりたいと思っていました。

最近では、同じ声優でもキャラクターによって声質がまったく違って良い意味で“役者の顔”が見えない表現にも憧れを持ち始めています。そのために声の技のディテールを磨いていきたいですし、必要とされる俳優になるために努力していきたいです。

——かなり明確にイメージされてますね! 最後に、健児さんは、透也さんが新世代として活躍するために“先輩”としてどんなことを最も伝えたいですか

【健児】彼に今伝えたいのは、「とにかく役者を続けろ!」ということ。続けることが何より大変なので。そして、続けた先に見えた景色をいつか僕に教えてほしいです。世代によって見える景色は全然違うはずなので、色んなものを吸収した彼から刺激をいっぱいもらいたい。そうすることで僕も新しい世界を知りたいし、僕のなかで新たに生まれてくるものがきっとあるはずですから。

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野島健児の長男・透也が声優デビュー 親子3代で声優、父から子へ託す思い「とにかく続けろ」