ファミコン芸人フジタが選ぶ 「未熟なプレイヤーを危機から救う“マジ助かった”呪文」

 家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。そのソフトは1000タイトル以上と言われ、誰もが知っている名作から、まったく日の目を見なかったものまで、実にさまざま。そこで、ゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタ協力のもと、この“ファミカセ”をさまざまな角度で切り取り、ピックアップ。第9回のテーマは「未熟なプレイヤーを危機から救う“マジ助かった”呪文」。※以降の内容は、ゲーム攻略法などネタバレ要素を含みます。閲覧にご注意ください。
■「リレミト」「ベホマ」はRPGの共通言語…「ドラクエ」シリーズの功績
「長い1つの物語をやるよりも、1面ずつスタートとゴールがある方が、僕の性に合っているみたいです」という理由から、RPGよりもアクションやシューティングが好きで得意だというフジタ。だが「ドラゴンクエスト」シリーズに関しては熱を入れてやりこみ、それゆえファミコンRPGにおける「ドラクエ」の存在の大きさを感じるという。
「例えば、脱出呪文といえば『リレミト』、全回復は『ベホマ』みたいな感じで共通言語として、意味が通じてしまう。そして、RPGにおける呪文の概念を子どもたちに知らしめた。これはすごいことです。他にもAボタンで決定(「はい」)、Bボタンでキャンセル(「いいえ」)というのも、ソフトによってまちまちだったのが、発売以降はドラクエの人気もあり、ほぼこれに倣っている。日本のRPGゲームにおいて、ドラクエの功績は大きいですよ。
 一方で、ファミコンRPGでみんなが共通して話せるのは、ドラクエとFF(ファイナルファンタジー)くらい。それ以外のRPGについては、周囲の友人や、エリアなど環境によってやっているソフトが違って、偏りがあると思います。なので今回選んだものも、ドラクエ、FF以外は、意見が分かれるところですね」
 そんなフジタが選んだ「未熟なプレイヤーを危機から救う“マジ助かった”呪文」コレクションは以下の通り。
■「ホイミ」でも「ルーラ」でもなく、「ドラクエ」からは“あの呪文”を選出
ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(1988年/エニックス) 「ザオラル」
 攻撃、補助、回復などさまざまな呪文がある中で、僕が推したいのは「ザオラル」ですね。地道に物語を進めていく中で、敵の強さもダンジョンの難易度も高くなってくる。中盤までは、目的地に着く前に戦闘不能状態になったら、仕方なく引き返して街の教会で生き返らせてもらうしかない。そんななか、レベル20台中盤で、僧侶が覚えるのが「ザオラル」。
 「ザオラル」を覚えるくらいだと多分、「ジパング」で「やまたのおろち」と戦うくらいだったと思うのですが、そのあたりは敵も強かったので、教会に行かなくても、どこでも生き返らせるこの呪文が、非常に重宝した記憶があります。
 ただこの「ザオラル」、100%の確立で生き返るわけではない。結構なMPを消費しても、何回も「〇〇はいきかえらない」って出て悔しい思いもする。でもその分、生き返ったときの喜びは半端ない。そんなギャンブル性の高さもうれしさを増幅させますよね。
 もっと後半になって、全回復で100%生き返る「ザオリク」も覚えるんだけど、難易度が上がる中盤で覚えた「ザオラル」の方が、感動が大きかったですね。
ファイナルファンタジーIII(1990年/スクウェア) 「バハムート」「オーディン」
 子どもって派手なもの、アクションの大きなものが好きだと思うんですが、「ファイナルファンタジーIII」の召喚魔法は、グラフィックがきれいで演出も派手だったのでお気に入りでした。なかでも、バハムート(バハムル)とオーディン(カタスト)が好きでしたね。
 バハムートは「メガフレア」で安定して大ダメージを与えることができるし、オーディンは100%ではないんですけど、「ざんてつけん」が出れば一撃必殺で敵を倒すことができる。召喚されたオーディンやバハムートが敵を攻撃する画もかっこよかった。
 オーディンもバハムートも入手の際、苦労したような気もするんですが、あんまり覚えていないですね。入手して使った時の喜びが記憶を上回っています。
■ファミコンなのに3D 激ムズRPGから、脱出呪文を選出
デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年/ナムコ) 「トラエスト」
 この魔法は、ダンジョンの入口に戻るというもので、ドラクエでいうところの「リレミト」。この魔法がないと、ダンジョンでボスを倒しても、たどり着いた道をもう一度引き返して、戻らなければならない。
 「非常口」という「宝石」と交換できる脱出アイテムはある(ドラクエの「キメラのつばさ」と「ルーラ」の関係に似ています)のですが、お金では買えず、またダンジョンが半端ない難しさなので、ドラクエ以上に脱出が重要になってくるのです。
 しかもこのダンジョン、ドラクエやFFのように上から見た俯瞰的な図ではなく、3Dで展開されていて、子どもにはつらかった。上から見ているわけではないので、自分がどこにいるのかがわからなくなって、マッピングも難しかったんですよね。なので、ドラクエやFFよりも脱出魔法の重要性を感じて選びました。この魔法を覚えたとき、戻らなければいけない緊張感から、いつでも出られるという安心感にかわりましたね。
 ちなみに本作は、ファミコンRPGのなかでは、難易度が高い作品と知られていて、ちびっ子の僕には激ムズでクリアできず、当時は途中で投げています(笑)。完成度の高く、ヒントを1つ聞き逃すだけで物語が進まなくなる。そんな一つ一つの積み重ねが、子どもの僕には難し過ぎました。
ウィザードリィ(1987年/アスキー) 「マロール」
 これは「ルーラ」のような移動呪文なんですけど、街への移動ではなく、移動先の座標を自分で決めるんです。全体がダンジョンなんですけど、地下何階に行く位置を選べ、今いる位置から上にいくつ、下にいくつと指定して移動することができる。マップが完全に頭の中に入っていれば、行きたいところに行けるんです。これはすごく便利。これも「女神転生」同様3Dの激ムズマップなので、使いこなせれば素晴らしい魔法なんです。
 ところがこの魔法、使いこなせないと恐ろしいことになります。指定した座標が行動できない地点だと「いしのなかにいる」と表示され、パーティーが全員「ロスト」(全滅)してしまう。尺度がわからず、使いこなせないと、悲劇がパーティーを襲います。当時小学生の僕は、マッピングも甘く、使いこなせませんでした(笑)。
→次回は「無限増殖にワープ…夢中で探したファミコン裏技集」

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