「死にゲー」2Dアクションに今なお影響を与え続ける伝説的死にゲーの続編『人生オワタの大冒険2』がFlashの終焉を前に公開

 このゲームがなければ、もしかしたら『Super Meat Boy』『Celeste』もこの世になかったかもしれない。国内外問わず、いわゆる「死にゲー」として2Dアクションのジャンルへ絶大な影響を与えたFlashゲーム人生オワタの大冒険』の続編『人生オワタの大冒険2』が、2020年12月31日にサポートが終了となるAdobe Flashの終焉を前にリリースされた。

 フリーのゲーム開発者のキング氏が自身のウェブサイトにて公開しており、前作同様Adobe Flashで開発、無料でプレイできる。Flashは多くのブラウザはデフォルトで無効やブロックとされているが、Flashをサポートしたブラウザでブロックを解除すれば問題ない。音楽を手がけたのはキング氏の作品『ロッコちゃん』などに楽曲を提供したAsagen氏。

 キング氏は本作を作るために3ヶ月ほど休業したという。Flashサポート終了まで残り4ヶ月ほど、それまでにゲームをリリースできて胸をなで下ろしているようだ。長い歴史を持つAdobe Flashの時代の終焉を見送るのに、これほど適したタイトルはないだろう。 

 「人生オワタ \(^o^)/」は、ポジティブに見える顔文字と人生が終わったという後ろ向きな台詞のミスマッチさが魅力となってにちゃんねる内で流行し、いつしか樹海に向かうインターネットミームとして定着。その過程で『ロックマン』シリーズの死亡エフェクト「ティウンティウン」も組み合わさった。

 『人生オワタの大冒険』はそんなインターネットミームを死にゲーとして昇華。難しさに反比例するようにリプレイに対するペナルティは小さく、Rキーを押すと即座にそのステージの最初に戻る。

 死にゲーとストレスのない素早い復活の組み合わせは、Kayinことマイケル・オライリー氏が製作した死にゲー『I Wanna Be the Guy』に取り入れられ、前述の通り『Super Meat Boy』や『Celeste』がさらに踏襲した。この機能を『人生オワタの大冒険』が初めて取り入れたわけではないかもしれないが、本作の影響で現代的な死にゲーの基本的なシステムとなったことは間違いない。

(画像は『人生オワタの大冒険2』より)
(画像は『人生オワタの大冒険2』より)

 その続編となる『人生オワタの大冒険2』は、かつて存在した巨大匿名掲示板群「にちゃんねる」で流行したアスキーアート「人生オワタ \(^o^)/」を主人公にした2Dアクションゲームとなっており、全作と同じくジャンプと「オワタバスター」を駆使してゴールを目指す。

 『人生オワタの大冒険』では、絶対に樹海で自殺したい人生オワタがさまざまな即死トラップをくぐり抜けて樹海を目指した。『人生オワタの大冒険2』ではFlashサポート終了という確実な死が目前に控えているが、人生オワタはどこを目指すのだろうか。オープニングでは消える世界を前に頭を抱えた人生オワタの姿が描かれる。

 高い難易度とアスキーアートを中心としたさまざまなインターネットミームも健在で、プレイヤーの心理を読み切ったようなトラップ、リプレイするごとに少しずつ変わるギミックも含めて、死んだときもクスりとするものが多い。なお『人生オワタの大冒険2』の公開にはオライリー氏も「GREAT GAME! \(^o^)/」と反応しており、すでにエンディングまで見ているようだ。

 ほかにも作者のキング氏の設置した掲示板には、すでにゲームをクリアした人々からの声が届いている。特に「泣いた」という書き込みが多く見られる。Flashの文化が興ってから20余年、万感の思いを込めた「人生オワタ」の大冒険になっているようだ。

(画像は『人生オワタの大冒険2』より)

 Adobe Flashのサポート終了を前に国内外ではさまざまなプロジェクトが立ち上がっており、Flash Playerをエミュレートする「ruffle」が登場したほか、Flash作品を収集する巨大プロジェクト「Flashpoint」が数ヶ月前から始動しており、2月の時点で290GBだった総ファイルサイズは記事執筆時点で490GBとなっている。なお、Flashpointには前作『人生オワタの大冒険』が『The Big Adventure Of Owata’s Life』として収録されている。

 Adobe Flashサポート終了を前に、歴史の終焉を見送るにふさわしいゲームがリリースされた。シュールで高難易度なゲームプレイで、2000年代に流行した最初期のゲーム実況配信でも高い人気を誇っていた『人生オワタの大冒険』だが、『人生オワタの大冒険2』もさまざまなプレイヤーによるプレイ動画がYouTubeなどに公開されている。どうしてもクリアできないという方はそちらを見てみるのもいいだろう。2Dアクションファンだけでなく、「面白フラッシュ倉庫」で笑い転げ、「びっくりフラッシュ」で縮み上がった経験がある方は、Flashが終わるまでに『人生オワタの大冒険2』をプレイしてみてほしい。

ライター/古嶋誉幸

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「死にゲー」2Dアクションに今なお影響を与え続ける伝説的死にゲーの続編『人生オワタの大冒険2』がFlashの終焉を前に公開