ファミコン芸人フジタが選ぶ「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」

 家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。そのソフトは1000タイトル以上と言われ、誰もが知っている名作から、まったく日の目を見なかったものまで、実にさまざま。そこで、ゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタ協力のもと、この“ファミカセ”を、さまざまな角度で切り取り、ピックアップ。第4回のテーマは「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」。
■完全なパクリはNGだが、技術の奪い合いがファミコンを進化させた
 現在までに1000タイトル超のファミコンソフトが発売されてきたが、その中には、大ヒットを記録した名作から、そうでないものまでさまざま。なかには、大ヒット作を明らかに意識したソフトも発売されたが、その多くは大作を超えられずに“陰”になって消えていった。
「全タイトルを把握すると、『これはあのソフトに似てるな』と感じるものも多いです。『ここまで寄せて、何も言われなかったのかな』と感じるものもありますね。今回ご紹介するのは、そんな大作の面影をどこか感じる3本です」
というフジタだが、大作や良ゲーだけでなく、いわゆるクソゲーでも、開発時に意識したことによって、ゲーム業界の進化が進んだのではないかとも言う。
「ファミコン黎明期は、さまざまなゲームのシステムを研究し、いいものを切り取ってアレンジして取り入れるということはどのメーカーもやっていたと思います。例えば、『グラディウス』の”パワーアップシステム“や、『フォーメーションZ』の”ため打ち”は、のちのゲームに大きな影響を与えたと思います。キャラクターやグラフィックなどの”パクリ“はよくないですが、そういった技術の奪い合いが、ゲームの質を高めていたように思います」
■フジタが選ぶ「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」3選
スーパーピットフォール(1986年/ポニーキャニオン)
 この作品は、『スーパーマリオブラザーズ』『スペランカー』の2作を意識して作られたと思われます。というのも、主人公のキャラクターは、どう見てもヘルメットをかぶったマリオにそっくりなんですよね(笑)。似ているところはそれだけではありません。ジャンプの仕方は『マリオ』、銃を打つのは『スペランカー』、面の感じは『マリオ』のクッパ城にも見えます。地底を探検し、お宝を探し出し、お姫様(ヒロイン)を助ける設定は両作からですね。
 昔から『ピットフォール』というゲームがあるのですが、この原作は、このソフトと全然似ていないんです。ファミコンに移植する際に、『マリオ』と『スペランカー』の人気に乗じてしまえと、開発者サイドがアレンジしたのだと思います。
 日本ではソフト自体はあまりメジャーではなく、日の目を浴びず、一般的にはそんなに評価されていない作品ですね。マップが広大なうえ、難しく、即死トラップもある。個人的にはそんなに悪いゲームだとは思わないんですけど、難易度が高いので、ハードルはだいぶ高いです。
■フジタが選ぶ「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」ほか2本
アトランチスの謎(1986年/サンソフト)
 この作品は、『スーパーマリオブラザーズ』を意識して作られた作品です。なぜ言い切れるかというと、発売時のキャッチコピーが「あのスーパーマリオを超えた!!」だったから。随所にその面影を見ることができます。
 『スーパーマリオブラザーズ』は左から右へ進めるだけで、戻ることができませんでしたが、『アトランチスの謎』は両方向に進め(戻ることも可能)、しかもどちらに進めばいいかわからない面もあった。当時として画期的だったと思います。
 あと、面の数ですね。『スーパーマリオブラザーズ』は8ワールド×4面で32面だったけど、『アトランチスの謎』は100面。ただし、1画面しかない面や、実際に進むことのできない面があるし、ワープを使えば最短で7、8面でクリアできる。作りとしては雑だったと思います。全100面をうたっても、全部の面に行けるとはどこにも書いていないので、間違っているわけではないんですけど(笑)。とにかく『マリオ』の上を行こうという意識が感じられます。
 実際にこのソフトは相当売れました。「日の目を見なかった」かと言われると少し違うと思うんですけど、「あのスーパーマリオを超えた!!」と謡いながら…と考えると、対抗したソフトがあまりにも大きすぎたという意味で選出しました。
 個人的には、攻略本を見ずにワープのためにトライ&エラーを繰り返して、クリアしましたね。一度クリアしても、ゴールにたどり着くルートが複数あるので、何回も楽しんでいました。
オリュンポスの戦い(1988年/イマジニア)
『リンクの冒険』(『ゼルダの伝説』の続編)を意識した作品。主人公の見た目や動き、冒頭の演出、風景の神殿や神と話すなど似ているところが多々あります。ただ、これは意識して似せたというより、オマージュに近い気がします。というのも、そのまま同じではなく、随所に新しいシステムがあり、難易度も格段に上がって、難しい。敵の攻撃の激しさや、謎解きで詰まる可能性があります。
 周りではあまりやっている人がいなかったですね。僕は攻略本を見ながらクリアしましたけど、最後のボスの演出がめちゃめちゃカッコイイ。最後のボスとは、お互いの影同士が戦うというオシャレな演出でした。個人的には難しいけど面白い作品という印象です。
 このソフトが日の目を浴びなかったその理由は、発売のタイミングにも原因があります。これが発売されたのが1988年3月末。その1ヵ月半前の2月に大ヒット作『ドラゴンクエストIIIそして伝説へ…』が発売されたんです。おかげで、当時の子どもから大人まで、『ドラクエ』に夢中になっていて…。大ヒット作というのは、作品の面白さだけじゃなく、発売のタイミングなどいろんな条件が重なって生まれるものだと思いました。
→次回は『めちゃくちゃ強かった敵TOP5〜RPG編〜』

#名作 #ファミコン #芸人 #フジタ #ソフト


ファミコン芸人フジタが選ぶ「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」