ゲーム規制条例への香川県弁護士会の声明に対し香川県が反論。子供の権利や憲法に反するものではなく、廃止の理由がないと意見は真っ向から対立する

 香川県弁護士会が「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」(以下、ゲーム規制条例)の廃止を求める声明に対し、香川県側が見解を公開した。「本条例の廃止および本条例18条2項の削除については、理由がない」と真っ向から対立する立場を示している。

 香川県弁護士会の声明では「本条例の立法事実の欠如」、「インターネット及びコンピュータゲームの有用性」、「本条例が憲法13条の定める自己決定権を侵害するおそれがあること」、「本条例が子どもの権利条約31条及び12条の趣旨に違背すること」の4つの観点からゲーム規制条例の問題点を挙げられている。

 香川県の見解では、「臨床的に未成年者のゲーム依存が学力・体力・精神に悪影響を及ぼすあるいはその蓋然性が高いことが認知されており」とし、WHOの定義と共に、香川県教育委員会が独自に調査したアンケートの結果によって立法事実を主張。

 また、時間の規制を行うのはあくまで「ゲーム障害につながるようなコンピューターゲーム」に限定しており、インターネットの利用すべてに時間制限の設定を推奨するものではないとしている。これに付随し、「インターネット及びコンピュータゲームの有用性」についてもその有用性を認めた上で、本条例はこれを規制する旨のものではないことを記している。

 「本条例が憲法13条の定める自己決定権を侵害するおそれがあること」に関しては、子供に対し直接の義務を課すものではなく、また何らかの行為を禁止するものではないから、そもそも子供の自己決定権を何ら侵害しないという見解を示している。

(画像は香川県ネット・ゲーム依存症対策条例に対する香川県弁護士会長声明に対する見解より)

 「保護者が子供にゲーム等の時間に制限を設けることにより、反射的に子供がゲーム等をする時間に制約を受ける可能性はあるが、教育的観点から保護者が子供の余暇の時間を制限することは保護者の責務として当然であって、このことが子の自由を制約することにはならない」と、子供の行動を制限するのではなく、あくまで保護者の努力義務を制定した条例という立場だ。

 子どもの権利条約については、子供たちの余暇活動、文化的・芸術的活動等の自由は最大限尊重されなければならないことを認めているが、自身の心身を傷つける恐れのある行為についてまで、無制限にその自由(あるいは放任)を認めるものではないと反論。子供の権利条約と矛盾するものではなく、むしろその精神を貴ぶものであるとまとめている。
 強調されているのは、本条例が罰則を定めたものではないということだ。そのため、子供の具体的意見や保護者の裁量権を委縮させるものでもないとしている。

 すでに条例を違憲として提訴の動きもあるゲーム規制条例に対し、意見が真っ向から対立した香川県議会と香川県弁護士会。この見解について、香川県弁護士会がどのような対応を取るかに注目が集まる。

ライター/古嶋 誉幸

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